
ミクロネシア連邦:デング熱の発生について
2011年11月14日、ミクロネシア連邦政府は、ヤップ州におけるデング熱の発生に関する発表を行いました。その後の更新情報を踏まえると15日現在、ヤップ州において313名のデング熱の症状を持つ感染者が発生しており、そのうち70名が入院し、2名が死亡(デング熱との因果関係は未確認とのことです)。現在までのところ、ヤップ州以外の3州では感染者の発生は確認されていません。
現在のところヤップ州への出入域を制限する措置は執られておりませんが、同州に入域する際は、蚊にさされないよう、長袖・長ズボンの着用、蚊の多い場所には行かないことなどの注意が呼びかけられています。また、同州に入域してから2週間以内に発熱等があれば、病院での診察を受けることが勧告されています。
デング熱について
(1)感染源
デング熱はデングウイルス(フラビウイルス属で1~4型まである)を持つ蚊(ネッタイシマカ,ヒトスジシマカ等)に刺されることで感染します。感染は必ず蚊が媒介し,人から人への直接感染はありません。一度かかると免疫ができますが,異なった型のデングウイルスに感染した場合は再発症します。デング熱を媒介する蚊の活動はマラリアを媒介するハマダラカと異なり,夜明け少し前から日暮れまでの間(特に朝と夕方)です。ただし室内にいる蚊は、夜間でも刺すことがあるので注意する必要があります。
(2)症状
3~15日(通常5~6日)の潜伏期を経て,突然の発熱で始まります。38~40度程度の熱が5~7日間続き,激しい頭痛,眼窩後部痛,関節痛,筋肉痛,発疹を伴います。この発疹は風疹と同じような小さな紅斑で,かゆみや痛みはありません。また,発熱期の後期や解熱後に軽い皮下出血が足や脇の下,手のひらなどに現れます。通常,症状が現れてから自然軽快するまでの期間は7日間前後です。
(3)治療方法
デング熱には特効薬がなく,一般に対症療法が行われます。特別な治療を行わなくても重症に至らない場合が多く,死亡率は1パーセント以下であると言われています。ただし,時折デング出血熱という重篤な病気に至ることがあります。デング出血熱は,口や鼻等の粘膜からの出血を伴い,死亡率の低いデング熱と異なり,通常でも10パーセント前後,適切な手当がなされない場合には,40~50パーセントが死亡すると言われています。出血熱は発熱して2~7日してから発症することが多いようですが,デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測ができません(大人よりも小児に多発する傾向があります)。発熱が3日以上続いた場合は、医療機関への受診をお勧めします。また、デング熱感染が疑われる場合には,鎮痛解熱剤にはアセトアミノフェンを使用し、アスピリン系の使用は避けてください。
(4)予防方法
デング熱には予防接種も予防薬もなく,蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。デング熱発生地域に旅行を予定されている方は,デング熱を媒介するネッタイシマカ,ヒトスジシマカ等は古タイヤの溝などのわずかな水たまりで繁殖するため都市部でも多くみられることを念頭に置き,次の点に十分注意の上,感染の予防に努めてください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし,肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
●室内においても,電気蚊取り器,蚊取り線香や殺虫剤,蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠,栄養をとることで抵抗力をつける。
●突然の高熱や頭痛,関節痛や筋肉痛,発疹等が現れた場合には,デング熱を疑って,直ちに専門医師の診断を受ける。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課(海外医療情報)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版) http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
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