一般無償案件「国内海上輸送能力向上計画」署名式の実施

平成26年9月12日
       

8月27日「国内海上輸送能力向上計画」案件の交換公文の署名式を開催しました。本件により11.1億円が供与され、新しい船が建造されることとなります。既存の唯一の国内連絡船であるキャロライン・ボイジャー号は、1997年に日本政府により供与され、16年間使用されてきました。同連絡船は長年の運行により老朽化が進んでおり、また国内での連絡船運航の強化の需要が高まっているために、今回新たに船が供与されることとなりました。新造船は各州や離島間での人の移動に伴い、キャロライン・ボイジャー号よりも多くの旅客が乗船できるよう設計されています。また本件にはキャロライン・ボイジャー号のスペアパーツの供与も含まれており、さらに長期にわたり同連絡船を活用することができるようになります。

新造船が供与されることにより、ミクロネシア連邦は、社会的にも、経済的にも裨益することになるでしょう。これまで、離島で収穫されたココナツや本島からの生活物資等の輸送のために、また、離島でのワクチン接種などの医療サービスを行う政府関係者やJICA関係者を派遣するため、さらに、離島での教育の充実を図るために海上輸送能力を高める必要があると叫ばれてきました。今回の新造船の供与により、海上輸送能力は大きく向上することになるでしょう。

鈴木大使はスピーチで、ミクロネシア連邦憲法を引用し「海は我々を結びつけるものであり、離すものではない。」と述べ、新たに建造される船が、FSMの国民の結びつきを強め、今回の供与により、ミクロネシア連邦と日本との友好関係が更に強化されることを願っている旨述べました。

ロバート外務大臣は、ミクロネシア連邦政府にとって署名式は毎回初めてのようで、この島に初めて上陸した日本の開拓者達から始まり今日まで続いてきた二国間の友好関係に感謝を表したい旨述べました。また、ロバート外務大臣は両国は太平洋の島国であり、この署名式が「船」の供与のためであることが両国にとって非常に喜ばしいと述べました。

式典の最後にはイティマイ運輸・通信・インフラ大臣が、このプロジェクトはミクロネシア連邦と日本との友好関係の現れであり、日本からの贈り物として大切に扱っていきたいと述べ乾杯の音頭をとりました。

ミクロネシア連邦政府を代表してローリン・ロバート外務大臣、日本政府を代表して鈴木栄一大使が交換公文に署名しました。また、実施機関であるJICAを代表し岩崎所長がロバート大臣と合意書に署名しました。式典はミクロネシア連邦政府関係者、日本政府関係及びJICA関係者が見守る中滞りなく執り行われました。