2013年6月27日、ポンペイ州のダンプサイトが準好気性の「福岡方式」と呼ばれる廃棄物処理場へ整備され、その作業が終了したことから、シーブリーズホテルの会議室にて完了式典が開催されました。この廃棄物処理場の技術は、1970年代に福岡市と福岡大学が開発したことから「福岡方式」と呼ばれています。
日本政府は2000年に開催された第2回太平洋・島サミットにおいて、当国のような小島嶼国では何十年にもわたって廃棄物処理が大きな課題となっていることから、太平洋島嶼国の廃棄物処理問題に関して支援をすることにコミットしました。以後、日本政府は廃棄物処理の分野にて様々な支援を実施してきましたが、現在JICAにより廃棄物管理改善支援プロジェクト(J-PRISM)が五カ年計画(2010年から2015年)で実施されています。当国も支援の対象となっており、今回のポンペイ州における廃棄物処理場への支援は中でも大規模な支援となりました。
J-PRISMにより当国にはJICAから専門家が派遣されており、専門家の技術と現地のカウンターパート機関の協業により、今回のプロジェクトが可能になりました。新規処分場建設を検討中であるポンペイ州の政策決定者にとっても、良いモデルケースとなり、廃棄物処理問題の解決へ向けて良い機会となりました。
鈴木大使は式典で、J-PRISMによる今回の案件は廃棄物管理を強化すると同時にポンペイの貴重な自然を保護することと人間の安全保障につながると述べました。
ポンペイ州議会を代表しロバート・ナカソネ議員は、福岡方式はポンペイ州にとって安価に効果を上げられる技術であり、ポンペイ州にとりメリットのある方法だということを是非とも州議会に紹介したいと述べました。
国家危機環境管理局のヤティルマン局長は廃棄物管理分野において日本政府が日本大使館やJICAを通して支援を続けていることに感謝の念を表しました。
JICAミクロネシア支所の渡辺企画調査員は、参加者達にJ-PRISMによって今後実施される維持管理のための研修に参加するよう呼びかけました。
最後に、エーサ・ポンペイ州知事は、これまでの日本政府からの多くの支援に感謝すると共に、今回のような案件が国内で次々に実施されることを期待する旨述べ、また、ポンペイ州は今回の案件を進めて行くと述べました。
式典にはポンペイ州政府、連邦政府、各自治体、NGO、JICA、大使館の関係者が出席し、滞りなく終了しました。