ミクロネシアに対する感染症対策及び保健・医療体制整備のための支援 (無償資金協力)署名式 

令和2年6月15日
書簡への署名
書簡の交換

6月12日,ミクロネシア連邦の首都パリキールにおいて,側嶋秀展駐ミクロネシア日本国特命全権大使とカンディー A.エリエイサー外務大臣(The Honorable Kandhi A. Elieisar, Secretary of Department of Foreign Affairs, Federated States of Micronesia)との間で,供与額3.82億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

 

 ミクロネシアにおいては,早期に入国制限措置が取られたこともあり,現時点では新型コロナウイルス感染症の感染者は確認されていませんが,人的・物的往来の制限の長期化により,主要産業が観光業である同国は経済的に大きな打撃を受けている状況です。ミクロネシア政府は,こうした状況に対応すべく,今後の入国制限措置の緩和を視野に入れつつ,それに伴って感染者が出た場合の対応を検討中ですが,ミクロネシア全体で医療資機材が不足しており,各州の州立病院でさえも十分な機材が整備されておらず,限られた医療機材,設備,人材で対応に当たっています。本計画は,ミクロネシアに対し,移動式診察ユニット,ICUベッド等の保健・医療関連機材を供与することを通じて,同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

 

 新型コロナウイルス感染症の世界規模での感染拡大は,人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日,日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり,国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ,保健・医療体制が脆弱な途上国における感染拡大防止は,在留邦人の健康・安全に直結するのみならず我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり,我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

 

 我が国としては,新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて,引き続き,国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。

 

  我が国は,2018年5月に開催した第8回太平洋・島サミットにおいて,「強靱かつ持続可能な発展の基盤強化」を支援の柱として表明しており,この協力は同表明を具現化するものです。

 

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スピーチを行う側嶋大使
スピーチを行うエリエイサー外務大臣