草の根文化無償資金協力「ナン・マドール・ビジターセンター建設計画」贈与契約署名式

平成31年1月25日
署名の様子(左:ピーターソン州知事,右:堀江大使)
イシパウ(マドレニウム地区の伝統的リーダーによる挨拶)による挨拶の様子(左から2番目)
  2019年1月17日,平成30年度草の根文化無償資金協力による「ナン・マドール・ビジターセンター建設計画」贈与契約署名式が大使公邸で開催され,181,394米ドルがポンペイ州資源開発局に供与されました。

  ナン・マドール遺跡は2016年7月にユネスコの世界遺産に登録されましたが,同時に,遺跡の保存状態良くないこと,保護及び管理システムが不足しているとの理由から危機遺産にも登録されました。このため,本件計画は世界遺産であるナン・マドール遺跡の保護を目的としております。このたび建設される予定のビジターセンターは,訪問者の人数や動線を管理する機能を果たし,また,学校の生徒,訪問者及び地元の人々への遺跡に関する教育の拠点となります。

  式典上の挨拶において,ニコルソン・ソロモン・ポンペイ州資源開発局局長は,日本政府からの支援に対して感謝の意を表した上で,ビジターセンターの建設によって訪問者や様々な年齢の人々の学びの機会が促進されると強調し,また,生徒達や地元の人々に詳細なナン・マドールの歴史について学ぶ機会を提供することになると述べました。
  また,堀江大使は,ビジターセンター建設後には全てのナン・マドール遺跡への訪問者が,同遺跡が重要であることを深く理解する様になり,また,同時にポンペイ州及びミクロネシア連邦の観光が発展することになる。そして,ナン・マドール遺跡が「真の意味での世界遺産」で有り続けることを望むと述べました。
  続いて,ピーターソン・ポンペイ州知事は支援に対する感謝の意を日本政府と堀江大使に伝えた上で,ナン・マドール遺跡はミクロネシア連邦の中でもっとも印象的で重要なサイトであると述べました。
  最後に,イシパウ(マドレニウム地区(ナン・マドール遺跡所在地)の伝統的リーダー)は,堀江大使に全てのポンペイ州民への支援に感謝すると述べ,堀江大使に「Aron Kiroun Nan Douwas(※)」という伝統的称号を贈りました。

  式典には,マドレニウム地区の伝統的リーダー,ピーターソン・ポンペイ州知事,プレトリック外務副大臣,連邦政府の関係職員,その他関係者及び大使館職員が出席しました。

※「Aron」は男性につける称号の一つ。「Kiroun」は「結びつける」の意味。「Nan Douwas」はナン・マドール遺跡のメインとなる島の名称。