年頭に当たって

平成30年1月1日
     皆様、新年明けましておめでとうございます。

     私が、2016年6月に駐ミクロネシア大使としてポンペイに着任してから1年半が経ちました。昨年10月23日~26日には、クリスチャン大統領が日本を公式に訪問されました。大統領は、2015年5月に第8代大統領に就任した直後に福島県で開催された第7回太平洋島サミットに出席するため訪日し、また毎年のように私的に訪日していますが、二国間の公式訪問は今回が初めてでした。天皇陛下御会見、河野外務大臣主催夕食会、森元総理との会談、友好議連との懇談、総理官邸での儀仗、安倍総理との首脳会談、総理主催夕食会と盛りだくさんの日程でした。大統領が東京に到着されたのは、丁度台風21号が去った直後で、河野外務大臣主催の夕食会が行われた大磯の旧吉田茂邸からは、台風一過で、美しい富士山が見えました。

     ミクロネシアと日本との歴史的つながりは、長く、深いものがあります。大統領訪日中に、日本側関係者から、2018年が両国の外交関係開設30周年であることに言及がなされると、大統領は決まって「30周年が重要な節目であることは当然であるが、両国の関係はそれを超えて長年にわたる密接なものである」という趣旨の発言をされていました。

     私は、昨年11月にチュークに出張して来ました。州政府関係者との会談、現地の学校訪問、日本の経協プロジェクトサイト視察等の日程に加え、日系チューク人家族との懇談を行いました。皆様ご存じのとおり、ミクロネシアの人口の約2割は日系人と言われていますが、チューク州は特に日系人の割合が多い州です。今回の訪問中、私は、モリ家、ナカヤマ家、アイザワ家、ハシグチ家等の代表の方々にお目にかかって来ました。皆さん、チューク州の政財界等で活躍していらっしゃる方ばかりです。もちろん、120年以上前に日本からチューク(トラック)に移住した先駆者である森子辨氏の記念碑や戦前中心島であったトノアス島(夏島)も訪問してきました。

     今年2018年は、両国の外交関係開設30周年という節目の年であり、5月には福島県で第8回太平洋島サミットが行われます。大使館といたしましては、更なる両国の友好関係促進に向け、本年を是非盛り上げていきたいと考えています。皆様の御支援、御協力を心よりお願いする次第です。

     本年も宜しくお願い申し上げます。
 
駐ミクロネシア連邦日本国特命全権大使 堀江良一