草の根・人間の安全保障無償資金協力 署名式
―コスラエ州運輸社会整備局 & 漁業・海洋資源局―
2011年3月24日、コスラエ州政府が行う2件のプロジェクトに対し、平成22年度草の根・人間の安全保障無償資金協力として合計159,311米ドルが供与されました。
一つ目は、廃棄物管理プロジェクトです。コスラエではコスラエ州資源管理委員会が第一弾のプロジェクト(わが国の無償資金協力による福岡方式を導入した廃 棄物処分場の建設)を行い、2008年に日本の支援によってトフォル地区に中央廃棄物最終処分場が完成しました。その後、日本より寄贈されたごみ収集車を 利用したごみ収集システムの確立を目指した第二弾のプロジェクトが行われ、法整備と共に青年海外協力隊とシニアボランティアによる精力的な意識啓発活動の 甲斐あってコスラエ州住民の環境問題・廃棄物管理に対する意識は徐々に変わっていきました。そして今回のプロジェクトでは、第三弾として州内の違法投棄場 の撤去作業のため「ブルドーザー」が供与されることとなり、コスラエ州の各地に散見されていた違法投棄場を完全に閉鎖するためにコスラエ州運輸社会整備局 が取り組むことになっております。
二つ目は、零細漁民のための漁場整備プロジェクトです。コスラエ州は環礁に囲まれた島であり、近年はコスラエ州でも環礁内の魚の産卵場を保護する観点から 環礁外での漁業が推奨されています。一方、外洋での漁は魚群を求めてボートを長時間走らせることから操業費用の支出が大きく、燃料価格の高騰も手伝って漁 民にとっては大きな負担となっています。そこで、コスラエ州漁業・海洋資源局では島に比較的近い外洋に3基の「人工漁礁」を導入し、そこに魚を集めて安定 した漁場を漁民に提供することとし彼らの漁業活動を支援し、市場への魚の安定供給を目指しています。外洋での漁場が安定すれば環礁内での乱獲や珊瑚礁の破 壊が減り、結果的に自然環境保護にも役立つことが期待されています。
写真は鈴木栄一大使がコスラエ州運輸社会整備局局長ウェストン・ラキミス氏(上)、そして、コスラエ州漁業・海洋資源局局長スティーブン・ジョージ氏(下)とそれぞれに交わした供与契約署名式の模様です。


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