将来の親日家を育てる
-JOCV日本語教師の活動日記-
浮田久美子(うきたくみこ)隊員(日本語教師:平成20年度9次隊)は、6ヶ月の短期隊員としてポンペイ州の中央高校で活躍しています。任期終了を間近に、これまでの活動を振り返り、活動日記を提出してくれました。浮田隊員の「生徒を惹き付ける授業」を紹介します。
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私は、ミクロネシアのポンペイ島のポンペイ中央高校で日本語を教えています。この高校は公立高校で1500名も学生がいる、島で一番のマンモス校です。ここでの日本語は全員が学ぶものでも、学びたい学生が学べるものでもなく、高校2年生と3年生になったときに上位の2クラスにいる学生だけが学ぶことができます。

手作りカードを使って生徒の興味をひく
私が一番気を付けていることは、上位のクラスにいるからといって、日本語を学びたい学生の集まりとは限らないので、“生徒を惹きつける授業をしよう!”ということです。毎日の勉強がつまらなくならないように、いろいろ工夫しました。一番成功したと思うのは、授業の始まりと終わりに生徒に“先生役”をしてもらうのです。「みなさん、はじめましょう。 たってください」「みなさん、おげんきですか?」「きょうは、なんようびですか?」「きょうは、なんがつなんにちですか?」「いいですね。 すわってください」というように。これは、生徒のお気に入りになって、毎回授業前に「せんせい、きょう、わたし、せんせい、いいですか?」と自ら名乗りをあげる生徒がたくさんいます。中には、将来、先生になるべきだと思うくらい、厳しくて威厳のある生徒もいたりと、生徒の意外な一面を見ることもできます。
今日の先生役はバーンソンくん
日本語の授業は、進みはゆっくりですが、生徒は、とても熱心に勉強してくれます。私には、カウンターパートがいるので、英語での説明はカウンターパートに任せて、私は生徒には必ず日本語で指示したり話しかけたりしています。すると、生徒も一生懸命日本語で工夫して答えてくれます。例えば、「あと3回!」と言いたいときは、「もういちど。さん!」といったように。
残念ながら、ポンペイでは、直接、日本語が進学や就職に結びつくことはあまりないので、異文化理解を濃くした授業もしたいと思い、週に1回、日本文化紹介の日を作っています。この半年で、折り紙、年賀状書き、お年玉袋作り、歌、ダンス、カルタ、ラジオ体操、巻き寿司作り、書道などを紹介しました。生徒は、どの文化紹介の授業大好きです。毎回、目をきらきらさせながら取り組んでいます。つまらなそうにしている生徒は一人もいません。実際にできあがったお年玉袋には、本物の5円玉をいれてあげました。「みなさんに、いいご縁がありますように♪」との願いを込めて。今、何人かの生徒がこの5円玉をネックレスにしています。そのネックレスを見るたびに、生徒がかわいくてたまらなくなります。そして、この時間があったからこそ、生徒との繋がりも強くなったと思います。
自分の書いた書道を得意そうに見せてくれる生徒たち
ポンペイでは、日本の統治時代があったため、日本人の血が流れている生徒も多く、また、いくつかの日本語がそのまま残って現地語として使われているため、元々、日本への親近感が強いと感じます。
元々の親近感に私の授業が加わって、生徒がもっともっと親日家になってくれるのが私の願いです。
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