楽園の小学校でJOCV隊員活躍
-佐藤大使、日野・片山両隊員を訪問-

 

2008年11月13日、佐藤大使と前田専門調査員は、JICAの青年海外協力隊(JOCV)・小学校教諭としてアワック小学校に派遣されている日野智子隊員(滞在1年4ヶ月)及び付属幼稚園の片山奈穂隊員(同4ヶ月)の職場訪問を行いました。


Text Box:      左:日野智子隊員、中央:佐藤大使、右:片山奈穂隊員    アワック小学校・幼稚園に到着して驚いたのは、そのロケーション。海を埋め立てた上に建てたというそのロケーションはまさに大自然の中。グラウンドには芝生が青々と生え、前には真っ青な海が広がり、裏には緑生い茂る山。訪問者の口から思わず出た言葉は、「ここは楽園ですねぇ」の一言。中休みでグラウンドをやんちゃに駆け回るわんぱくな子ども達を見ていると、確かに、ここでは「勤勉さが美徳」という価値観は、なかなか生まれないだろうなと実感してしまうのでした。恵まれた環境にいる純粋な子ども達、当たり前にある自然を、いつまでも大事にして欲しいと願います。

 

 

Text Box:    勉強より遊び!?  やんちゃはいいが、算数はどうでしょう。参観したのは2年生のクラス。珍しい訪問者の見学に子ども達はそわそわしながらも、元気よく数字の歌から始まり、トモコ先生手作りの引き算のフラッシュ・カードで肩慣らし。指を折りながら、「10-6」の答えを考える子、待っていましたとばかりに素早く答える子、同じ学年でもレベルはまちまちです。筆算の引き算となると、もう大変。10本の指だけでは足りず、足の指まで使っているのではないかと思うぐらい時間がかかる子もいました。

今日の授業は、インチ(inch)の勉強。教科書は使いません。センチメートル(cm)とインチの両方がついた物差しに戸惑いながらも、色々な長さの線を測ってみる。ここは数字の単位もアメリカ式。センチメートルではなくインチを使います。

アメリカの援助により、教科書は存在しますが、人数分はないそう。見せてもらった教科書はボロボロで落書きもたくさん。教室に据え付けで、家に持って帰って勉強することはないそうです。

教科書
すべてポンペイ語で授業を行うトモコ先生は、他の先生からも信頼が厚く子どもからも人気。休み時間には「トモコ-」と子どもの声が飛び交います。「カウンターパートに恵まれました。」と微笑むトモコ先生も、任期は後3ヶ月。佐藤大使は、「この国の算数のレベル向上に、協力隊の力は必須。これからも算数の先生を継続して派遣したいですね」と述べました。 Text Box:
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


質問:まるで「楽園」のような環境の中で、算数好きの子どもはたくさんいますか?

日野隊員:はい。子ども達は、算数の授業を楽しみにしてくれていますよ。日本と異なり、生活において数字に触れる機会が少ないので、数字を読んだり、書いたりできるようになるまで時間はかかりますが、できるようになりたいという気持ちは日本の子ども達と同じだと思います。

 

質問:派遣されて、嬉しかったことや苦労したことはなんですか?

日野隊員:嬉しいことは、やっぱり子ども達の笑顔を見たときですかね。それから、子ども達の成長を目の当たりにしたときですね。苦労したことは、たくさんあったような気もしますが、特にこれといったものは思い浮かびません。楽園のような南の島が、苦労を吹き飛ばしてくれているのだと思います。

片山隊員:嬉しかったことを思えば、私も子どもの顔が思い浮かびます。子どもの成長を目の当たりに出来たとき、その子と同じくらいの喜びを感じます。ここに来て良かった!と思える瞬間ですね。苦労していることは、やはり、言葉でしょうか。子ども達とは、現地語でやり取りしますので、片言でしか話せない私は、伝えたいことの半分も言葉にできないことがあります。とてももどかしく感じますが、世界共通語の笑顔で乗り切っています。

Text Box:      手作りカードを使って数を教える片山隊員


質問:青年海外協力隊(JOCV)の評価はミクロネシアでとても高いですが、どう思いますか?

日野隊員:はい。そう感じますね。他の学校隊員と一緒になって、現地の先生達対象に研修会を開いているのですが、先生達から「研修会の機会を増やしてほしい」や「JOCV隊員を要請したい」との声が寄せられますから。

片山隊員:私も同じように感じます。どこに行っても好意的に受け入れてくれますので、大変活動しやすいです。今後も現地のニーズに合った活動を展開していきたいと思います。

 

質問:モリ大統領は「算数の先生が日本からもっと来て欲しい」と要望していますが。
日野隊員:そうですね。多くの先生が日本から来てくれると、うれしいです。ポンペイ州には、公立幼稚園20校、公立小学校26校、公立高校3校、短期大学1校があります。しかし現在、学校隊員として派遣されているのは、わずか5名(幼稚園1、小学校2、大学1、教育局1)です。要請枠と実際の人数が見合っていないのが現状ですね。

 

質問:ミクロネシアの算数教育についてどのように考えていますか。

日野隊員:課題が山積みのように感じます。母国語以外の言語で書かれた教科書を使用する難しさ、教具の不足、授業改善の必要性等々。でも、ミクロネシアの算数教育は、まだまだ始まったばかり。これからだと思っています。

 

質問:ミクロネシアの子ども達にどのように育ってほしいと思いますか?

日野隊員:ミクロネシアの子ども達は、家族を大切にし、目上の人を敬い、そして働き者です。すぐに「パガタ(疲れた)」と言って休むこともありますが、それが南の島らしさなのかもしれません。ゆっくりでもいいから、自立できる人や国になってほしいです。

片山隊員:今のまま、明るく伸び伸びと育って欲しいですね。笑顔の絶えない島ですから。受け継がれている伝統を大切にしつつ、世界にも目を向け、向上心を忘れない大人になって欲しいと思います。

 

質問:教育隊員として、ミクロネシアに来たいと希望する日本の青年に一言。

日野隊員:ミクロネシアに来れば、ゆったりとした時の流れ、満天の星空、親日的な人々と出会えること、間違いなしです。そして、キラキラと輝く笑顔に囲まれての生活は楽しいですよ。

片山隊員:ここに来て、多くのことを学びました。この島が大好きです。そして、日本のことも、今まで以上に好きになりました。のんびりと流れる時間の中で、無邪気に笑う子ども達とともに一緒に成長していける最高の環境だと思います。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<リンク>

青年海外協力隊 国別要請情報(ミクロネシア)

 

 

このページのトップへ戻る

トップページへ戻る