ポンペイの学校トイレを修復
-草の根・人間の安全保障無償で-

 

2008年12月4日、平成20年度草の根・人間の安全保障無償資金協力の第2弾として、ポンペイ州環境管理局に対し、「ポンペイ州学校衛生設備改善計画」へ88,394米ドルを供与する署名式が行われました。

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エーサ知事立ち会いの下、贈与契約に署名する佐藤大使とロビー局長

 

このプロジェクトは、ポンペイ州環境保護局(EPA) が実施した同州27校の実地調査に基づき、特に劣悪な状況下にある3つの学校の衛生設備(トイレ・手洗い場)を新たに建設、又は既存のものを改善する内容です。EPAで勤務しているJICAの青年海外協力隊(JOCV)・環境教育の丹羽健治隊員の提案でこのプロジェクトの形成が始められ、大使館との協議を重ね実現に至りました。佐藤大使着任(2008年6月)以来、JOCVとの共同作業を重視して計画を練ってきましたが、具体的なコラボレーションが実現したのは、これが最初。今後とも、日本の多様な経済協力スキームを活かした「協力の連携」による相乗効果が期待されます。

このプロジェクトの背景には、ポンペイ州の保健・衛生問題が数々あげられます。同州に於いて、約20%以上の子供が下痢症状を伴う症状を持っており、これは5歳以下の子供の死因の第2位にあたります。主要な下痢感染の要因は、人間の排泄物にあり、感染拡大の要因は、人口比に対する衛生設備数の少なさに起因していると報告されています。また、日常的に不特定多数が集団で集まる学校のような場所においては、コレラの伝染可能性が高く潜在しており、また、その他感染症拡大の可能性も高いといえます。「国連ミレニアム開発ゴール2007年度報告書」によると、ミクロネシア連邦全世帯の75%が適切な衛生設備へのアクセスを持たないと報告されています。

児童生徒は、不衛生でかつ劣化の激しいトイレには行きたがらず、我慢してしまう傾向にあり、また衛生環境の過度の劣悪さから学校を欠席する生徒まで出るという現状があります。このような状況により、教育の機会を損なってしまうことは、州や国にとって将来への多大な損失となります。

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左: アルバート・ロビー局長 右: 佐藤大使


ポンペイ州知事立ち会いの下、署名式が行われ、日本国政府を代表して佐藤大使が、また被供与団体の代表であるアルバート・ロビー局長が贈与契約に署名しました。式の中で、佐藤大使は、「日本国政府は現在、『ポンペイ国際空港改善計画』のような大規模なインフラ整備でミクロネシア支援を行っている。他方で、住民や学童の福祉に直結した草の根レベルの支援も数多く実施している。前者が大型の“一本釣り”なら、後者は小型の(針の沢山ついた)‘さびき’のようなものだ」と述べ、釣りが身近にあるポンペイの事情になぞらえてユーモアを交えて説明しました。

 

 

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